もう一人の超人

成績が常に問われるプロスポーツの世界で、怪我で出場出来ないというのは大きなダメージだ。怪我の度合いによっては正に選手生命に関わる大問題なのだ。
 イチロー選手だけではない。
 ハンマー投げの室伏 広治選手もまた、独自の先進的なスポーツ理論を導き出している。

アジアの超人と言われた室伏重信氏を父に持ち、そのずば抜けた身体能力で学生時代からいくつもの陸上界の記録を打ち立ててきた日本のスーパーマンも、30歳を過ぎてから、いろんな所に故障が出てきたという。
その室伏選手が2年前から取り入れ、投擲の練習以上に時間を割いているのが、体幹トレーニングなのだ。
理学療法士のロバート・オオハシ氏の指導で、赤ちゃんのハイハイや、寝返りを模した大変地味な運動を何時間も行っている。
 世界の室伏が脇目も振らずに、ただ寝転んだり、ハイハイしたりしているのだ。
 しかし、彼が本当にすばらしいのは、しっかりと結果を出していることだ。
 2011年、韓国で行われた世界陸上で、彼は見事に金メダルを獲得したのだ。

 現在37歳。 2008年の北京オリンピックでは5位と振るわず、引退も囁かれたにも関わらず、彼は筋力アップのトレーニングを捨て、体幹トレーニングに切替えた。
 いくら筋肉を付けようとも、そのバランスが正しくなければ、その人が本来持っている潜在的な能力さえも押さえ込んでしまう。
 自分にあったトレーニングを正しく行えば、眠っている本当の力が目覚めるかもしれない。